91語を収録

第二種電気工事士 用語集

試験に出る言葉を、ひとつずつ。
意味を調べて、関連する用語や過去問へ。

電気の基礎理論(10語)

オームの法則
オームの法則は、抵抗に流れる電流は加えた電圧に比例し、抵抗に反比例するという法則で、電圧V=抵抗R×電流Iで表す。 直列・並列の合成抵抗と組み合わせて回路各部の電流や電圧を求める計算の出発点になる。交流回路では抵抗の代わりにインピーダンスZを使い、V=ZIとして扱う。
合成抵抗
合成抵抗は、複数の抵抗をまとめて1つの抵抗に置き換えたときの値。直列接続では各抵抗の和(R1+R2)、2つの並列接続では積を和で割った値(R1R2/(R1+R2))になる。 並列の合成抵抗は、もとのどの抵抗よりも小さくなる。直並列が混じった回路は、並列部分から順にまとめて計算する。
抵抗率
抵抗率は、材料の電気の通しにくさを表す値で、導線の抵抗Rは抵抗率ρ×長さL÷断面積Aで求める。 抵抗は長さに比例し、断面積(直径の2乗)に反比例する。直径を2倍にすると断面積は4倍になり、抵抗は1/4になる。銅は抵抗率が小さく、電線の導体に広く使われる。
ジュールの法則
ジュールの法則は、抵抗に電流を流したときに発生する熱量が、電流の2乗と抵抗と時間の積に比例するという法則(Q=I²Rt〔J〕)。 1kW・hは3600kJにあたる。電熱器で水を温める計算では、発熱量を水の質量・比熱(水は約4.2kJ/(kg・K))・温度上昇から求め、熱効率で割って必要な電力量を出す。
電力量
電力量は、電力を使った時間で積み重ねた量で、電力〔W〕×時間〔h〕で表し、単位はW・hやkW・hを使う。 消費電力P=VI=I²R=V²/Rと組み合わせて求める。たとえば1kWの電熱器を2時間使うと2kW・hになる。熱量に換算するときは1kW・h=3600kJを使う。
力率
力率は、交流回路で電源から送られる見かけの電力(皮相電力VI)のうち、実際に仕事をする有効電力が占める割合で、cosθで表す。 有効電力P=VIcosθで、抵抗だけの回路では1、コイルを含む誘導電動機などでは1より小さくなる。抵抗Rとリアクタンスの直列回路ではR÷インピーダンスZで求められる。力率が低いと同じ仕事に大きな電流が必要になるため、進相コンデンサで改善する。
インピーダンス
インピーダンスは、交流回路で電流の流れにくさを表す量で、抵抗とリアクタンス(コイル・コンデンサの交流に対する抵抗)を合わせたもの。単位はΩ。 抵抗RとリアクタンスXの直列回路では、Z=√(R²+X²)で求める。たとえばR=8Ω、X=6ΩならZ=10Ω。電流はI=V/Zで計算できる。
三相交流
三相交流は、位相が120度ずつずれた3つの交流を組み合わせた電気の送り方で、動力用の電動機などに使われる。 三相の消費電力はP=√3×線間電圧×線電流×力率で求める。結線にはY(スター)結線とΔ(デルタ)結線があり、それぞれで線間電圧と相電圧、線電流と相電流の関係が異なる。
Y結線
Y結線は、三相の各相の一端を1点(中性点)にまとめ、残りの端を線路につなぐ結線方法。 線間電圧は相電圧の√3倍、線電流は相電流と等しい。たとえば線間電圧200Vの三相電源にY結線の抵抗負荷をつなぐと、各抵抗に加わる電圧は200/√3≒115Vになる。
Δ結線
Δ結線は、三相の各相を三角形の輪になるようにつなぎ、各頂点から線路を引き出す結線方法。 各相の負荷には線間電圧がそのまま加わり、線電流は相電流の√3倍になる。同じ抵抗をΔ結線にすると、Y結線の場合に比べて消費電力は3倍になる。

配電理論・配線設計(13語)

分岐回路
分岐回路は、幹線から分かれて照明やコンセントなどの負荷へ電気を送る回路で、分岐点に過電流遮断器(配線用遮断器など)を設けて保護する。 過電流遮断器の定格に応じて電線の太さとコンセントの定格が決まっており、たとえば20Aの配線用遮断器なら直径1.6mm以上の電線と20A以下のコンセント、30Aの配線用遮断器なら2.6mm(5.5mm²)以上の電線と20A以上30A以下のコンセントを使う。
許容電流
許容電流は、電線の温度が絶縁物の許容温度を超えないように、連続して流してよい電流の上限。電線の太さ、絶縁物の種類、周囲温度で決まる。 600Vビニル絶縁電線(IV)を単独で使う場合、直径1.6mmは27A、2.0mmは35A、2.6mmは48Aで、管に収めるときは本数に応じた電流減少係数(3本以下0.70など)を掛けて求める。
電圧降下
電圧降下は、電線の抵抗に電流が流れることで、電源側より負荷側の電圧が低くなること。電線が細く長いほど、また電流が大きいほど大きくなる。 電線1本の抵抗をr、電流をIとすると、単相2線式では2Ir、平衡した単相3線式の外線と中性線の間ではIr、三相3線式では√3Irで求める。単相3線式で負荷が平衡していれば中性線に電流は流れない。
単相2線式
単相2線式は、2本の電線で単相交流を供給する配電方式で、一般住宅の100V回路などに使われる。 電線1本の抵抗をr、電流をIとすると、往復2本分の電圧降下は2Ir、電力損失は2I²rになる。同じ電力を送る場合、単相3線式より電線の損失が大きくなりやすい。
単相3線式
単相3線式は、2本の電圧側電線(外線)と1本の中性線の3本で配電し、外線と中性線の間で100V、外線どうしで200Vを取り出せる方式。現在の一般住宅の多くで使われる。 上下の負荷が平衡していれば中性線に電流は流れない。中性線が断線すると、負荷の不平衡によって一方の負荷に100Vを超える電圧が加わるおそれがあるため、中性線には過電流遮断器を入れない。
中性線
中性線は、単相3線式などで変圧器の中性点につながり、接地されている電線。単相3線式では外線との間で100Vを取り出す。 電線の色は白が一般的で、点滅器やヒューズを中性線側に入れない。上下の負荷電流の差だけが流れるため、負荷が平衡していれば電流は0になる。
電流減少係数
電流減少係数は、絶縁電線を同じ管に複数本収めるとき、放熱しにくくなる分だけ許容電流を減らすために掛ける係数(電気設備技術基準の解釈)。 同一管内の電線が3本以下は0.70、4本は0.63、5〜6本は0.56とされる。たとえば直径1.6mmのIV線(27A)を3本収めると、27×0.70≒19Aになる。
配線用遮断器
配線用遮断器は、過負荷や短絡で過電流が流れたときに自動的に回路を遮断し、電線や機器を保護する開閉器。ヒューズと違い、遮断後もレバー操作で再び使える。 分岐回路の保護に使い、定格電流に応じて電線の太さとコンセントの定格が決まる。100V回路用の2極1素子、200V回路用の2極2素子などがあり、配線図では極数・素子数の読み分けが問われる。特定電気用品に指定されている。
過電流遮断器
過電流遮断器は、過負荷や短絡による過電流を検出して回路を自動的に遮断する装置の総称で、配線用遮断器とヒューズが代表例。 分岐回路では原則として幹線との分岐点から3m以下の場所に施設する。ただし分岐する電線の許容電流が幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上なら8m以下、55%以上なら距離の制限はない。
漏電遮断器
漏電遮断器は、電路に地絡(漏電)が起きたときに、その電流を零相変流器で検出して回路を自動的に遮断する装置。感電や漏電火災を防ぐ。 金属製外箱をもつ使用電圧60Vを超える低圧機器で、人が容易に触れるおそれのある場所に施設するものなどには原則として設置が求められる。定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の高感度高速形を施設すると、D種接地工事を省略できる場合がある。
幹線
幹線は、引込口から分電盤など分岐回路の分岐点までの太い配線。 電動機を含む幹線の許容電流は、電動機の定格電流の合計IMが50A以下なら1.25IM+他の負荷の電流IH、50Aを超えるなら1.1IM+IH以上とする。幹線を保護する過電流遮断器の定格電流は、3IM+IH以下(または幹線の許容電流の2.5倍以下)のうち小さい値を基準に選ぶ。
電力損失
電力損失は、電線の抵抗に電流が流れることで熱として失われる電力で、電線1本あたりI²rで求める。 単相2線式では2I²r、平衡した単相3線式では外線2本分の2I²r、三相3線式では3I²rになる。電流の2乗に比例するため、同じ電力を高い電圧で送ると電流が減り、損失を小さくできる。
対地電圧
対地電圧は、電線と大地との間の電圧。接地式の電路では電線と大地間の電圧、非接地式の電路では電線間の電圧をいう。 住宅の屋内電路の対地電圧は原則150V以下とされる。単相3線式100/200Vの電路は外線どうしが200Vでも対地電圧は100Vなので、200Vの機器も施設できる。絶縁抵抗の基準値も対地電圧で区分される。

電気機器・配線器具・材料・工具(19語)

ねじなしボックスコネクタ
ねじなしボックスコネクタは、ねじなし電線管をアウトレットボックスなどの金属製ボックスに接続するための付属品。 管は止めねじを締めて固定し、ねじ頭がねじ切れるまで締め付けるのが正しい施工である。電線を引き入れる管端やボックス内側の口は、電線の被覆を傷めないよう滑らかにしておく(製品によっては絶縁ブッシングを使う)。
スターデルタ始動
スターデルタ始動は、三相かご形誘導電動機の始動時だけ固定子巻線をスター(Y)結線にし、加速後にデルタ(Δ)結線へ切り替える始動方法。 Y結線では各巻線に加わる電圧が1/√3になるため、全電圧始動に比べて始動電流と始動トルクがどちらも約1/3になる。始動電流を抑えられる一方、重い負荷は起動しにくくなる。
誘導電動機
誘導電動機は、固定子の巻線に交流を流して回転磁界をつくり、回転子に誘導された電流との作用で回る電動機。構造が簡単で丈夫なため、ポンプや送風機の動力に広く使われる。 三相誘導電動機は、3本の電源線のうち任意の2本を入れ替えると回転方向が逆になる。回転速度は同期速度よりわずかに遅く、始動時は定格電流の数倍の始動電流が流れる。
同期速度
同期速度は、誘導電動機の固定子がつくる回転磁界の回転速度で、Ns=120f/p〔min⁻¹〕(fは周波数、pは極数)で求める。 たとえば50Hzで4極なら1500min⁻¹、60Hzで4極なら1800min⁻¹。実際の回転子の速度は、すべりの分だけ同期速度より少し遅くなる。周波数が高いほど、極数が少ないほど速い。
低圧進相コンデンサ
低圧進相コンデンサは、誘導電動機などの遅れ電流を打ち消して力率を改善するためのコンデンサ。 電動機と並列に、手元開閉器より負荷側に接続する。力率が改善されると電源から流れる電流が減り、電線の電圧降下や電力損失が小さくなる。電動機の出力や回転速度を上げるものではない。
VVFケーブル
VVFケーブルは、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形の略で、ビニルで絶縁した導体を平形のビニルシース(外装)でまとめた低圧屋内配線用のケーブル。 住宅の屋内配線で最も多く使われ、直径1.6mmや2.0mmの2心・3心がある。絶縁電線と違いシースがあるため、ケーブル工事で造営材に沿って直接施設できる。丸形はVVR。
IV電線
IV電線は、600Vビニル絶縁電線の略で、導体をビニルで被覆しただけの絶縁電線。シース(外装)がないため、金属管や合成樹脂管などの管に収めて使う。 許容電流は直径1.6mmで27A、2.0mmで35A、2.6mmで48A。耐熱性を高めたHIV(600V二種ビニル絶縁電線)もある。
CVケーブル
CVケーブルは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの略で、耐熱性に優れた架橋ポリエチレンで絶縁し、ビニルで外装したケーブル。 許容温度が高く、同じ太さのビニル絶縁のものより大きな電流を流せるため、幹線や動力回路に使われる。3本の単心ケーブルをより合わせたものはCVTと呼ぶ。
VE管
VE管は、硬質ポリ塩化ビニル電線管の通称で、合成樹脂管工事に使う硬い塩化ビニル製の電線管。 曲げるときはガストーチランプなどで加熱して軟らかくし、切断には合成樹脂管用カッタや金切りのこ、面取りには面取器を使う。管相互の接続はTSカップリングで行い、差込み深さは管の外径の1.2倍以上(接着剤を使う場合は0.8倍以上)とする。
PF管
PF管は、自己消火性(耐燃性)をもつ合成樹脂製可とう電線管。手で曲げられる柔軟な管で、屋内の露出・隠ぺい配管やコンクリート埋込みに使える。 アウトレットボックスとはPF管用ボックスコネクタで接続する。自己消火性のないCD管は原則コンクリート埋込み専用なので、使える場所の違いが問われる。
ねじなし電線管
ねじなし電線管は、管の端にねじを切らずに、止めねじ式の付属品(ねじなしボックスコネクタ・ねじなしカップリングなど)で接続する薄い鋼製の電線管。記号はE(E19・E25など)。 ねじを切る手間がないため施工しやすい。止めねじはねじ頭がねじ切れるまで締めて固定する。金属管工事の材料として、付属品の写真鑑別とあわせて出題される。
アウトレットボックス
アウトレットボックスは、金属管などの配管工事で、電線の接続点や器具の取付け位置に設ける金属製の箱。側面や底面にノックアウト(打抜き穴)がある。 管を接続する穴が足りないときはノックアウトパンチャやホルソで穴をあける。配線図では□の記号(ジョイントボックス)で表される。
プルボックス
プルボックスは、多数の金属管が集まる箇所や長い配管の途中で、電線の引入れを容易にするために設ける大型の箱。 管の屈曲が多い場合や太い電線を引き入れる場合に使い、内部で電線を接続することもできる。アウトレットボックスより大きく、写真鑑別で区別が問われる。
ノックアウトパンチャ
ノックアウトパンチャは、金属製のボックスや分電盤の鋼板に、電線管を接続するための丸い穴を油圧や手動で打ち抜く工具。 パンチ(刃)とダイスで鋼板を挟んで抜くため、ホルソより穴の縁がきれいに仕上がる。写真を見て名称と用途を答える問題で出題される。
リーマ
リーマは、金属管を切断したあと、管の内側の切り口にできたばり(角)を削り取って滑らかにする工具。クリックボールの先に取り付けて回して使う。 管口を滑らかにすることで、電線を引き入れるときに被覆が傷つくのを防ぐ。ガストーチランプやパイプベンダとともに金属管工事の工具として出題される。
クリックボール
クリックボールは、先端にリーマなどの刃物を取り付け、ハンドルを回して使う手回しの工具。 金属管の切り口の内側をリーマで面取りするときに使う。写真鑑別では、取り付ける刃物とセットで用途を答える形で出題される。
張線器
張線器は、架空配線のちょう架用線(メッセンジャワイヤ)などを張るときに、線をつかんでたるみをとり、張力を調整する工具。 屋外の架空配線工事で使い、屋内の金属管工事などには使わない。写真鑑別で用途を問われる工具のひとつ。
ライティングダクト
ライティングダクトは、溝状のダクト内に導体を通し、任意の位置に照明器具などを差し込んで取り付けられる配線器具。店舗のスポットライトなどに使う。 施工では、開口部を原則として下向きにし、支持点間の距離は2m以下、終端部はエンドキャップで閉そくする。造営材を貫通して施設してはならない。
熱動継電器
熱動継電器は、電動機に過負荷電流が流れたとき、ヒータの熱でバイメタルが曲がることを利用して接点を開き、電動機を停止させる保護装置。 電磁接触器と組み合わせて電磁開閉器として使う。過負荷保護が目的で、短絡電流の遮断は配線用遮断器などが受け持つ。

電気工事の施工方法(12語)

CD管
CD管は、合成樹脂製可とう電線管のうち自己消火性(耐燃性)をもたないもの。外観はオレンジ色のものが多い。 燃えやすいため、原則として直接コンクリートに埋め込んで使い、木造住宅の天井裏などへそのまま露出・隠ぺい配管することはできない。自己消火性をもつPF管とは使える場所が違う点が、材料の鑑別や施工方法の問題でよく問われる。
ケーブル工事
ケーブル工事は、VVFケーブルなどのケーブルを造営材に沿って支持し、または管に収めて施設する配線工事。 造営材の下面・側面に沿って取り付ける場合の支持点間の距離は2m以下が基本で、重量物の圧力や機械的衝撃を受けるおそれのある箇所では管などで防護する。曲げるときはケーブル外径の6倍以上の半径を目安にする。可燃性ガスのある場所などの特殊場所では、使えるケーブルや防護方法に条件が付く。
金属管工事
金属管工事は、絶縁電線を鋼製の電線管に収めて施設する配線工事。ほとんどの場所で施工でき、機械的な保護に優れる。 電線にはIV線などの絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線OWを除く)を使い、管内で電線を接続しない。交流回路では、電磁的不平衡による発熱を防ぐため、1回路の電線をすべて同じ管に収める。管にはD種接地工事を施すが、条件により省略できる。
合成樹脂管工事
合成樹脂管工事は、絶縁電線をVE管やPF管などの合成樹脂管に収めて施設する配線工事。 管の支持点間の距離は1.5m以下、管相互や管とボックスの差込み深さは管の外径の1.2倍以上(接着剤を使う場合は0.8倍以上)とする。CD管は原則としてコンクリート埋込みに限られる。管が絶縁物なので、金属管工事のような接地工事は不要。
金属可とう電線管工事
金属可とう電線管工事は、自由に曲げられる金属製の可とう電線管(2種金属製可とう電線管など)に絶縁電線を収めて施設する配線工事。 電動機への接続部分など、振動があったり配管を曲げる必要がある箇所に使う。管内で電線を接続しない点は金属管工事と同じで、管にはD種接地工事を施す(条件により省略可)。
金属線ぴ工事
金属線ぴ工事は、幅の狭い金属製の溝状の線ぴ(メタルモールジングなど)に絶縁電線を収めて施設する配線工事。 使用電圧300V以下で、乾燥した展開した場所や点検できる隠ぺい場所に限られ、湿気の多い場所や水気のある場所では施工できない。線ぴにはD種接地工事を施す(条件により省略可)。
圧着接続
圧着接続は、リングスリーブや圧着端子に電線を入れ、専用の圧着工具で押しつぶして接続する方法。 リングスリーブ用の圧着工具は柄が黄色で、電線の太さと本数に合ったダイス(○・小・中・大)で圧着し、スリーブにその刻印が残る。接続部は電線の引張強さを20%以上減少させないこと、絶縁テープなどで十分に絶縁することが求められる。
D種接地工事
D種接地工事は、使用電圧300V以下の低圧の機器の金属製外箱や金属管などに施す接地工事。漏電したときの感電を防ぐ。 接地抵抗は100Ω以下(低圧電路に0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設すれば500Ω以下)、接地線は直径1.6mm以上の軟銅線とする。対地電圧150V以下の機器を乾燥した場所に施設する場合などは省略できる。
C種接地工事
C種接地工事は、使用電圧が300Vを超える低圧の機器の金属製外箱や金属管などに施す接地工事。 接地抵抗は10Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設すれば500Ω以下)、接地線は直径1.6mm以上の軟銅線とする。住宅で一般的な300V以下の機器にはD種接地工事を施すので、使用電圧で区別する。
引込口開閉器
引込口開閉器は、屋内に電気を引き込む箇所の近くに設け、その建物の電路を一括して開閉する開閉器。 母屋から離れた物置などへの屋外配線では、使用電圧300V以下で、15A以下の過電流遮断器(または20A以下の配線用遮断器)で保護された長さ15m以下の電路から供給する場合に限り、引込口開閉器を省略できる。
支持点間距離
支持点間距離は、電線管やケーブルを造営材に固定する支持点どうしの間隔で、工事の種類ごとに上限が定められている。 ケーブルを造営材の下面・側面に沿って施設する場合は2m以下、合成樹脂管工事の管は1.5m以下、ライティングダクトは2m以下が代表的な値。
特殊場所
特殊場所は、可燃性ガスや粉じん、危険物などがあり、電気設備が着火源になるおそれのある場所。施設できる配線工事が限られる。 可燃性ガスや爆燃性粉じんのある場所では金属管工事(薄鋼電線管以上)とケーブル工事に限られ、ケーブルは保護管に収めるなどの防護が必要になる。合成樹脂管工事は危険物を扱う場所など一部に限られる。

検査方法(7語)

メガー
メガーは、絶縁抵抗計の通称で、電路と大地の間や電線相互間の絶縁抵抗を、直流の高い電圧を加えて測定する計器。単位はメガオーム(MΩ)。 測定は停電させ、開閉器や過電流遮断器で区切った回路ごとに行う。電路と大地間を測るときは負荷を接続したまま、電線相互間を測るときは負荷を外すのが基本。電子機器を含む回路では機器を傷めないよう注意する。
導通試験
導通試験は、施工した配線が図面どおり正しく接続され、断線や誤結線がないかを確かめる試験。回路計(テスタ)やベル・ブザー式の導通試験器を使う。 竣工検査では目視点検、絶縁抵抗測定、接地抵抗測定と並ぶ項目で、通電する前に行う。電線の太さや絶縁性能を確かめるものではない点に注意する。
絶縁抵抗
絶縁抵抗は、電線の絶縁物などを通して漏れる電流の流れにくさを表す抵抗で、値が大きいほど絶縁状態がよい。 電気設備技術基準では、低圧電路の絶縁抵抗を開閉器や過電流遮断器で区切った回路ごとに、使用電圧300V以下で対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、その他の300V以下なら0.2MΩ以上、300Vを超えるものは0.4MΩ以上と定めている。測定が難しいときは漏えい電流1mA以下で代えられる。
回路計
回路計は、テスタとも呼ばれ、1台で交流・直流の電圧、直流電流、抵抗などを切り替えて測定できる計器。 導通試験や電圧の確認に使う。抵抗を測るときは回路の電源を切って測定する。絶縁抵抗(MΩ)や接地抵抗の測定には、それぞれ専用の絶縁抵抗計・接地抵抗計を使う。
接地抵抗計
接地抵抗計は、接地極と大地との間の接地抵抗を測る計器。 一般的な測定方法では、被測定接地極(E)から一直線上に約10m間隔で補助接地極(P・C)を打ち込み、E・P・Cの順に接続して測定する。測定前に電池の電圧や地電圧を確認する。 測定値がD種接地工事などの基準値以下かを確かめる。
クランプ形電流計
クランプ形電流計は、電線を挟み込むだけで、回路を切らずに電流を測れる計器。 負荷電流を測るときは電線1本だけを挟む。往復の電線(単相2線式なら2本、単相3線式なら3本)をまとめて挟むと、正常時は電流が打ち消し合い、残った値が漏れ電流になる。漏れ電流の測定には感度の高いクランプ形漏れ電流計を使う。
漏えい電流
漏えい電流は、電路の絶縁物などを通して大地へ漏れて流れる電流。値が大きいほど絶縁が劣化している。 停電できずに絶縁抵抗を測るのが難しい低圧電路では、使用電圧を加えた状態での漏えい電流が1mA以下であればよいとされる(電気設備技術基準の解釈)。クランプ形漏れ電流計で、電路の電線を一括して挟んで測る。

法令(13語)

一般用電気工作物
一般用電気工作物は、600V以下の低圧で受電し、その受電場所と同じ構内で電気を使う一般住宅や小規模な店舗などの電気工作物(電気事業法)。一定出力未満の太陽電池発電設備などの小出力発電設備も含まれる。 一般用電気工作物等の電気工事の作業には第一種または第二種電気工事士の資格が必要で、高圧で受電する工場やビルの設備は自家用電気工作物として区別される。
特定電気用品
特定電気用品は、電気用品のうち構造や使用方法から特に危険や障害が生じるおそれが多いとして政令で指定されたもの(電気用品安全法)。 絶縁電線、ケーブル、配線用遮断器、漏電遮断器、ヒューズ、コンセントなどの差込み接続器などが該当し、ひし形のPSEマークを表示する。特定電気用品以外の電気用品は丸形のPSEマークで、電線管や換気扇、LED電灯器具などが該当する。
電気用品安全法
電気用品安全法は、電気用品の製造・輸入・販売を規制し、電気用品による危険や障害の発生を防ぐための法律。 事業者は国への届出と基準適合の確認を行い、PSEマークを表示する。電気工事士は、この表示のない電気用品を電気工作物の設置・変更の工事に使ってはならない。特定電気用品(ひし形PSE)と特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)の区別が頻出。
電気工事士法
電気工事士法は、電気工事の作業に従事する者の資格と義務を定め、電気工事の欠陥による災害を防ぐための法律。 一般用電気工作物等の電気工事の作業は第一種または第二種電気工事士、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の作業は原則として第一種電気工事士でなければ従事できない。作業中は免状を携帯し、電気設備技術基準に適合するよう作業しなければならない。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗など、一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事できる国家資格。免状は都道府県知事が交付する。 高圧で受電する自家用電気工作物の工事には従事できない。作業に従事するときは免状を携帯する義務があり、免状の記載事項に変更があれば交付した知事に書換えを申請する。
軽微な作業
軽微な作業は、電気工事の作業のうち、保安上支障がないとして経済産業省令(電気工事士法施行規則)で定められ、電気工事士の資格がなくても従事できる作業。 施行規則は、電線どうしの接続、電線管などに電線を収める作業、配線器具を造営材に取り付けて電線を接続する作業、接地線の取付けや接地極の埋設などを資格が必要な作業として挙げており、それ以外の補助的な作業が軽微な作業にあたる。電力量計やヒューズの取付けなど、そもそも電気工事に含まれない「軽微な工事」とは別の概念。
軽微な工事
軽微な工事は、電気工事士法で「電気工事」から除かれ、資格がなくても行える工事(電気工事士法施行令)。 600V以下で使う差込み接続器やソケット、開閉器にコードやキャブタイヤケーブルを接続する工事、600V以下で使う電気機器の端子に電線をねじ止めする工事、電力量計やヒューズを取り付け・取り外す工事、二次電圧36V以下の小型変圧器の二次側の配線工事、地中電線用の暗きょや管を設置する工事などが該当する。
電気事業法
電気事業法は、電気事業の運営を適正にし、電気工作物の工事・維持・運用を規制して公共の安全を確保するための法律。 電気工作物を一般用電気工作物・自家用電気工作物などに区分し、電気設備技術基準の根拠となっている。電気工事士試験では、一般用電気工作物の範囲(低圧受電・小出力発電設備)の定義が問われる。
小出力発電設備
小出力発電設備は、600V以下の電圧で、一定の出力未満の太陽電池・風力・水力・内燃力・燃料電池などの発電設備で、一般用電気工作物に含まれるもの(電気事業法施行規則)。 住宅の屋根の太陽光発電などが代表例。出力の上限は発電方式ごとに定められ、改正もあるため、最新の規定で確認する。
電気工事業法
電気工事業法は、電気工事業を営む者の登録や業務の規制を定め、電気工事の適正な実施を確保するための法律。 営業所が1つの都道府県だけなら都道府県知事、2つ以上なら経済産業大臣の登録を受け、登録の有効期間は5年。営業所ごとに主任電気工事士を置き、絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計などの器具を備え、帳簿を5年間保存し、標識を掲げる。
電気設備技術基準
電気設備技術基準は、電気事業法に基づき、電気設備が備えるべき保安上の性能を定めた経済産業省令(電気設備に関する技術基準を定める省令)。 電圧の区分(低圧は交流600V以下・直流750V以下)や、低圧電路の絶縁抵抗の値などを定めている。具体的な施設方法は、電気設備技術基準の解釈(電技解釈)に例示されている。
電技解釈
電技解釈は、電気設備技術基準で定めた性能を満たす具体的な施設方法を例示した、経済産業省の解釈文書。 接地工事の種類と接地抵抗値、電線の許容電流と電流減少係数、配線工事ごとの施設方法など、筆記試験で問われる数値の多くはここに定められている。 電技解釈と異なる方法でも、技術基準の性能を満たすことを示せば認められる。
低圧
低圧は、電気設備技術基準の電圧の区分のひとつで、直流は750V以下、交流は600V以下の電圧をいう。 それを超え7000V以下が高圧、7000Vを超えるものが特別高圧。一般用電気工作物は低圧で受電するもので、住宅の100V・200Vは低圧にあたる。

配線図(17語)

EM電線
EM電線は、燃やしても有害なハロゲンガスを出しにくく、鉛などを含まない材料で絶縁・被覆した電線・ケーブルの総称(EMはエコマテリアルの略)。 EM-IE(絶縁電線)、EM-EEF(平形ケーブル)、EM-CE(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル)などがあり、名前の後ろの記号でVVFやCVなどの従来品に対応する。配線図では傍記の記号で種類を読み分ける。
フロートレススイッチ
フロートレススイッチは、水の導電性を利用し、水槽内に下げた電極棒の間が水でつながるかどうかで水位を検出してポンプを運転・停止させる液面制御用のスイッチ。 フロート(浮き)を使わないためこの名がある。配線図では給水・排水ポンプの制御回路に電極とともに描かれ、電磁開閉器と組み合わせて使われる。
リングスリーブ
リングスリーブは、VVFケーブルなどの電線どうしを専用の圧着工具で圧着して接続する筒状の接続材料。小・中・大の大きさがある。 電線の太さと本数でスリーブの大きさと圧着工具のダイスが決まり、たとえば1.6mmの2本は小スリーブで刻印「○」、1.6mmの3〜4本や2.0mmの2本は小スリーブで刻印「小」、1.6mmの5〜6本は中スリーブで刻印「中」になる。技能試験・筆記試験とも頻出。
図記号
図記号は、配線図で電気機器・配線器具・配線などを表す記号で、JIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号)に定められている。 たとえば□はジョイントボックス、●は埋込形の単極スイッチ、丸に2本の短い線を付けた記号はコンセントを表し、記号の横に付ける傍記(LK・E・WP・3など)で種類や仕様を区別する。筆記試験の配線図問題は、図記号と傍記を正しく読むことが前提になる。
小勢力回路
小勢力回路は、電磁開閉器の操作回路や呼鈴・警報ベルなどに使う、最大使用電圧60V以下の回路(電気設備技術基準の解釈)。 絶縁変圧器を介して電源につなぎ、電圧に応じて流せる最大電流が制限されている。危険が小さいため、一般の低圧配線より緩やかな施設方法が認められている。配線図ではチャイムやベル用変圧器とともに描かれる。
差込形コネクタ
差込形コネクタは、被覆をはいだ電線を差込口に押し込むだけで接続できる接続材料。2本用・3本用・4本用など差込口の数で種類がある。 ジョイントボックス内で接続する電線の本数に合った口数のものを選び、電線は心線が見えなくなるまで奥まで差し込む。圧着工具が要らないが、本数に合わない口数のものは使えない。
接地抵抗
接地抵抗は、接地極(地面に埋めた電極)と大地との間の電気抵抗。値が小さいほど、漏電したときに電流が大地へ流れやすく、機器の外箱の電位が上がりにくい。 低圧の機器に施すD種接地工事は100Ω以下(0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設すれば500Ω以下)、300Vを超える低圧機器のC種接地工事は10Ω以下(同じく500Ω以下)と定められている。測定には接地抵抗計を使う。
点滅器
点滅器は、照明などの負荷を入り切りするスイッチの総称。配線図では●(埋込形)の記号に傍記を付けて種類を表す。 傍記なしは単極、「3」は3路、「4」は4路、「H」は位置表示灯内蔵(消灯時に点灯)、「L」は確認表示灯内蔵(負荷が点灯中に点灯)、「P」はプルスイッチ、「A」は自動点滅器、「R」はリモコンスイッチを表す。点滅器は非接地側の電線に入れる。
電磁開閉器
電磁開閉器は、電磁接触器と熱動継電器(サーマルリレー)を組み合わせた開閉器で、押しボタンスイッチなどの操作でコイルを励磁して主接点を開閉し、電動機を運転・停止させる。 熱動継電器が過負荷を検出すると回路を開き、電動機の焼損を防ぐ。配線図では押しボタンスイッチや表示灯と組み合わせた制御回路として出題される。
複線図
複線図は、単線図(1本の線で配線を表した図)をもとに、実際に必要な電線を1本ずつ描き表した図。 接地側電線(白)はコンセントと照明器具へ、非接地側電線(黒)はコンセントと点滅器へつなぎ、点滅器から照明器具へ返り線を描く。複線図を描くと、ジョイントボックス内の電線本数や接続方法(リングスリーブの種類・差込形コネクタの口数)が分かる。
3路スイッチ
3路スイッチは、階段の上と下など2か所から同じ照明を点滅させるために、2個1組で使うスイッチ。配線図では点滅器の記号に傍記「3」を付ける。 端子は0・1・3の3つで、2個の3路スイッチの1と3の端子どうしを2本の電線でつなぐ。3か所以上から点滅させるときは、間に4路スイッチを入れる。
4路スイッチ
4路スイッチは、2個の3路スイッチの間に入れて、3か所以上から同じ照明を点滅させるためのスイッチ。配線図では点滅器の記号に傍記「4」を付ける。 端子は4つあり、両側の3路スイッチからの2本ずつの電線を接続する。3か所点滅なら3路2個と4路1個を組み合わせる。
確認表示灯
確認表示灯は、点滅器に内蔵され、照明や換気扇などの負荷が動作している(スイッチが入っている)ときに点灯する表示灯。配線図では点滅器の記号に傍記「L」を付ける。 離れた場所にある負荷の運転状態を確かめるのに使う。消灯時に点灯してスイッチの位置を示す位置表示灯(傍記H)とは点灯する時が逆になる。
位置表示灯
位置表示灯は、点滅器に内蔵され、負荷が消えている(スイッチが切れている)ときに点灯して、暗い中でスイッチの位置を知らせる表示灯。配線図では点滅器の記号に傍記「H」を付ける。 負荷が動作しているときに点灯する確認表示灯(傍記L)と区別して問われる。
自動点滅器
自動点滅器は、周囲の明るさを光センサ(CdSなど)で検出し、暗くなると照明を点灯、明るくなると消灯させる点滅器。配線図では点滅器の記号に傍記「A」を付ける。 門灯や外灯の点滅に使われる。人の動きで点灯する人感センサ付きの熱線式自動スイッチとは別のもの。
リモコンリレー
リモコンリレーは、リモコンスイッチからの信号で照明回路の接点を開閉するリレーで、リモコン配線(小勢力回路)とリモコン変圧器と組み合わせて使う。 分電盤内などに集めて設置し、多数の照明を離れた場所から個別・一括で点滅できる。配線図ではリモコンスイッチ、リモコン変圧器、リモコンセレクタスイッチとともに出題される。
接地極付コンセント
接地極付コンセントは、機器の金属製外箱を接地するための接地極(刃受け)を備えたコンセント。配線図ではコンセントの記号に傍記「E」を付ける。 洗濯機や電子レンジなど水気や湿気のある場所で使う機器用に設け、接地端子付きのもの(傍記ET)と区別する。200V用は差込口の形が100V用と異なる。